皆さんはマラソンをしている際に急に疲れて体が思うように動かなかったり、全身に力が入らなくなるといったそんな経験ありませんか?マラソンに向けて練習の調整だけに注目をしていませんか?実は、お食事も一緒に意識して摂取してあげることがものすごく重要になってきます。大会前のお食事「カーボローディング」を意識して摂取するで上記の症状を改善、パフォーマンス向上につながります。今回はカーボローディングについてご紹介します。もっと楽に!もっと速く!なりたい方は是非見てくださいね!
本記事で分かること
- カーボローディングとは?
- カーボローディングの効果
- カーボローディングの取り入れ方
- 注意点
- まとめ

ランニング専門パーソナルトレーナーの高橋が解説します。
勤務地:マタドールパーソナルトレーニングジム
カーボローディングとは?

目的
カーボローディングとは、マラソンやトライアスロンなど、長期にわたる持久力系スポーツのスタミナ切れを防ぎ、パフォーマンスを維持するための食事戦略です。
私達の身体は、運動のエネルギー源として主に炭水化物(糖質)を分解して作られる「グリコーゲン」を使います。このグリコーゲンは筋肉や肝臓に蓄えられていますが、貯蔵できる量には限りがあります。
特にフルマラソンのような長期にわたる運動では、レース後半になるとグリコーゲンが枯渇し、急激な疲労感や失速を引き起こす可能師があります。通常カーボローディングを取り入れないでマラソンを行うと、2時間〜2時間30ほどでエネルギーが枯渇すると言われています。それが、フルマラソンにおける30kmの壁です!
カーボローディングは、このグリコーゲンの貯蔵量を通常よりも増やし、疲労感や失速を起こしにくくすることで、最後まで安定した走りを可能にすることを目的としています。
カーボローディングの効果

1・グリコーゲン貯蔵量の増加と持久力の向上
長時間の運動では、グリコーゲンと並行して体脂肪もエネルギー源として使われます。体脂肪をエネルギーに変えるには、グリコーゲンの代謝によって生じる物質が必要になります。グリコーゲンが枯渇すると、脂肪をエネルギーとして使う効果も落ちてしまうため、グリコーゲンを温存しておくことはスタミナの維持、持久力の向上につながります。
2・筋肉の保護と回復の促進
カーボローディングは、運動後のグリコーゲン補充をスムーズにする効果もあります。運動後、筋肉はグリコーゲンを素早く取り込む状態になっています。カーボローディングによって高糖質な食事を継続していると、運動によって消費されたグリコーゲンを効率的に補給できるため、筋肉の回復を早めることにもつながります。
3・集中力と判断力の維持
エネルギーが枯渇すると、脳への糖分供給が不足し、集中力や判断力が低下する可能性があります。カーボローディングによってグリコーゲンを満たすことで上記のリスクを軽減し、レース中の冷静な判断や、フォームの維持を助けます。
4・心理的な安心感
「事前的にエネルギーを満タンにしておいた」という事実はランナーに大きな安心感を与えます。心理的な余裕は、レース中の不安を和らげ、自信を持って走ることにつながります!カーボローディングは精神的な面からも、レースを成功させるための重要な効果があります。
カーボローディングの取り入れ方

・大会の6日前〜4日前
カーボローディングは大会の1週間前から計画的に行います。
食事:タンパク質、脂質、糖質のバランスを意識し、糖質が全体の50%〜60%になるように意識。
運動:トレーニング量を徐々に減らし、疲労を残さないようにします。
・大会3日前〜大会前日
食事:食事全体の糖質を70%〜80%に増やし、高糖質で低脂肪を意識した食事を取り入れる。
(例)ご飯、パン、麺類、芋類などを中心に体重の1kgあたり7g〜10gを目安に60kgの人の場合420g〜600gの摂取を意識しましょう!
低脂肪:肉類はもも肉、ヒレ肉、ささみなどを選び、揚げ物や脂質お多い食事は避けましょう。
大会当日

朝食:スタートの3〜4時間前までに、消化の良い糖質中心の食事を心がけましょう。
(例)おにぎり、餅、うどん、バナナ、オレンジジュースなど
直前:スタート30分前〜1時間前には、エネルギーゼリーやバナナなど、すぐにエネルギーに変わるものを摂って、血糖値キープしましょう。
より手軽なカーボローディング
長期間の食事管理が難しい場合には、大会前日と当日にいつもより多く糖質をとる1.5日カーボローディーング方法もあります。
メリット:体重増加のリスクがなく、手軽に実践できます。
摂取方法の注意点

1・食べ慣れないものを避ける

消化不良のリスク:レース直前初めて食べるもは、胃腸が慣れていないため、消化不良や下痢を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
食物繊維の多いもの:食物繊維は消化に時間がかかり、腹部に不快感をもたらす可能性があります。野菜類や海草類はレースが近づくにつれて量を減らすか、消化のしやすいように調理しましょう。
高脂質食:脂質は消化に時間がかかるため、胃もたれの原因になります。揚げ物や脂質の多い肉類などは避けましょう。
2・体重増加と体調管理
体重増加:カーボローディング中は、糖質とともに水分も体内に蓄積されるため、一時的に体重が増加します。これはグリコーゲン貯蔵によるものになります。不安になりすぎないようにしましょう。
運動量の調整:カーボローディング期間中はトレーニング量を減らすため、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れがちです!過度な糖質摂取は体脂肪の増加につながるため注意が必要です。
まとめ

カーボローディングは、マラソンで最高のパフォーマンスを発揮するためも強力な戦略です。大会前から高糖質・低脂質の食事を心がけ、エネルギー源であるグリコーゲンを体に蓄えましょう。ただし、食べ慣れないものを摂ったり、食物繊維や脂質の取りすぎには注意が必要です。事前の練習期間で自分に合った方法を見つけていくことがパフォーマンス向上につながります。正しい知識と計画で、万全の状態でスタートラインに立ち、自己ベスト更新を狙っていきましょう!
マタドール・スタイル・ランナーズ
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名古屋名城公園を練習拠点に活動するランニングクラブです。今年4月から新たに東京でもマタドール・スタイル・ランナーズクラブ(MSR)が始まりました。上野公園を拠点に活動しています。東京は毎週日曜日(8時30分~10時00分)に練習会を開催しております。練習会だけではなく季節にあったランニングイベントも開催しております!
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