本記事で分かること

お客様の悩みに応えてきたランニングトレーナー阿部が解説します。
勤務地:マタドールパーソナルトレーニングジム
マラソン界で活躍する鈴木亜由子選手は、テンポよく弾むような走りで知られています。
本コラムでは、鈴木亜由子選手のフォームの特徴を分析し、そのメリットや改善点について解説していきます。

鈴木亜由子選手について

鈴木亜由子選手は、安定したペース配分と粘り強い走りが特徴のマラソンランナー。
トラック競技で培ったスピードを活かし、後半でも力強い走りを見せます。
名古屋ウィメンズマラソン(2023年)では自己ベストを更新、オリンピックの出場経験もあり、年々成長を続けています。

名古屋ウィメンズマラソン(2025年)には招待選手として参加が決まっており、今後の国内外のレースでも活躍が期待される注目の選手です!
プロフィール
- 名前:鈴木亜由子(すずき あゆこ)
- 生年月日:1991年10月8日
- 出身地:愛知県豊橋市
- 出身高校:愛知県立時習館高等学校
- 主な種目:5000m、10000m、マラソン
- 特徴:ピッチ走法+優れた骨盤の動き
主な記録
- 自己ベスト:
- 5000m :15分08秒29(2015年 世界選手権)
- 10000m :31分18秒16(2016年 ペイトン・ジョーダン招待陸上)
- フルマラソン:2時間21分33秒(2024年 名古屋ウィメンズマラソン)
- 主要大会成績:
- 2017年 日本陸上競技選手権大会:5000m 2位、10000m 2位
- 2017年 世界陸上競技選手権大会(ロンドン): 10000m 10位
- 2018年 日本陸上競技選手権大会:10000m 2位
- 2018年 北海道マラソン:マラソン 1位
- 2019年 日本陸上競技選手権大会:10000m 2位
- 2019年 MGC:2位
- 2023年 名古屋ウィメンズマラソン:2位
- 2024年 名古屋ウィメンズマラソン:3位
【鈴木亜由子選手】フォーム徹底解説
まずは下記動画で鈴木亜由子選手の走りをチェックしてみましょう。
この動画での鈴木亜由子選手の走りを元に、フォームの特徴をまとめると下図の通りです。

鈴木亜由子選手のフォームの特徴
安藤友香選手のフォームの大きな特徴は「重心のスライド」と「ピッチ走法」です。
詳しく説明していきますね。
重心を小刻みにスライド
鈴木亜由子選手の走りで1番特徴的なのは、重心を左右に小刻みにスライドしている点です。

右図の通り、右足着地時は右側に重心を、左足着地時には左側に重心をスライドさせています。
このように重心を小刻みにスライドさせることで、着地した足にしっかりと体重を乗せることができ、地面からの反発が得やすくなっていると考えられます。
着地時の足関節の回内

重心をスライドさせたことにより、足の着地時に足関節がやや過回内となっています。
着地時の足関節回内は衝撃を吸収する自然な動きですが、鈴木亜由子選手の場合は、重心をスライドさせることでやや過回内となっています。
やや過回内の状態から足部の関節が元の位置に戻ろうとする弾性エネルギーが発生することで、テンポよく弾むような走りにつながっていると考えられます。

通常は過回内に近づくほど足にかかる衝撃が大きくなり怪我のリスクが高まります。
しかし鈴木亜由子選手は、長年の経験から負担が少ない絶妙な角度で着地し、自分にとって最適な走りとしていると考えられますね。
ピッチ走法

鈴木亜由子選手は、ピッチ走法という走り方をしています。
ピッチ走法では歩幅は小さく足をすばやく回転させて走ります。
着地するときに、もう一方の足(地面についていない足)がすぐ前にもどってくるのが特徴。
小柄な人に向いたランニングフォームですね。

ピッチ走法では、上半身(腕)と下半身(足)の動きを合わせることが大事です。
特に、腕をふる動きと足の動きをそろえることで、スムーズな足の回転が生まれ、ムダのないスピードアップにつながります。
肩と骨盤のひねりがほとんどない

鈴木亜由子選手は、肩と骨盤のひねりがほとんどなく、常に正面を向いたまま進んでいます。
さらに骨盤は常に水平を保っており、余計な上下運動をしていないことが分かります。
こうした動きが出来ているのは強い体幹力によるものだと考えられます。
腹筋群・背筋・臀筋がバランスよく発達しており、体幹がしっかりと安定しているからこそ、ブレのない安定した効率的な走りを実現出来ているのです。
ピッチ走法の課題と改善ポイント
メリットが多くあるピッチ走法ですが、取り入れようとしたときに下記注意点もあります。
忍者走りの課題
ピッチ走法の安定性を活かしつつ、弱点を補うトレーニングやストレッチを取り入れることで、よりバランスの取れた走りが可能となります。
そのため、改善ポイントも合わせて紹介していきますね。
歩幅が狭くなりすぎる
課題と改善ポイント
- 課題:
ピッチを上げることに集中しすぎると、歩幅が極端に狭くなり、前に進む効率が落ちることがあります。
結果として、同じスピードを出すのに無駄なエネルギーを使ってしまう可能性があります。 - 改善ポイント:
①股関節の可動域を広げるストレッチを行う(ランジ、ダイナミックストレッチなど)
②ミッドフット走法を意識する(かかとでブレーキをかけないようにする)
③坂道ダッシュで脚力を鍛える(地面をしっかり蹴る力を養う)
ミッドフット走法とは?

足裏の中心で着地し、その後でかかと側とつま先側が自然と触れる「ミッドフット走法」により、足の負担を抑えた走りが可能となります。
心肺の負担が大きい
課題と改善ポイント
- 課題:
ピッチ走法は、足の回転が速いため心拍数が上がりやすいという特徴があります。
長距離レースでは、心肺が持たずに後半で失速するリスクがあります。 - 改善ポイント:
①長めのジョグで持久力を強化する(低強度で長く走るトレーニング)
②インターバルトレーニングで心肺機能を向上(400m×10本など)
③呼吸法を意識する(腹式呼吸を取り入れ、深く息を吸う)
脚の疲労がたまりやすい
課題と改善ポイント
- 課題:
ピッチ走法は、接地時間が短く、すぐに次の一歩へ移るため、ふくらはぎや太ももの負担が大きくなります。
特に、レース後半になると脚が重くなり、スピードが落ちることがあります。 - 改善ポイント:
①ふくらはぎの筋力アップ(カーフレイズなどの補強トレーニング)
②足裏の接地バランスを意識(重心がぶれないようにする)
③レース後半に向けたビルドアップ走(徐々にペースを上げる練習)
上半身と下半身の連動が難しい
課題と改善ポイント
- 課題:
ピッチ走法では、足の回転が速いため、上半身がリズムに合っていないとフォームが乱れやすくなります。
特に、腕振りがうまく使えないと、ピッチをキープできなくなることがあります。 - 改善ポイント:
①腕振りの練習(前後にスムーズに振る・肩の力を抜く)
②上半身のブレを防ぐ体幹トレーニング(プランク・ツイストなど)
③ドリル練習(スキップ・もも上げ)でリズムを整える
改善ポイントまとめ

鈴木亜由子選手のフォーム解説まとめ
本記事では鈴木亜由子選手のフォーム解説を行いました。
鈴木亜由子選手のフォームは、左右に重心移動させながら走る独自のスタイルとピッチ走法を掛け合わせており、テンポよく弾むような走りです。
ランニングフォームで大切なことは、教科書通りの正しいフォーム追求ではなく、自分の体に合った最適な走りを見つけること。
私たちマタドールではお客様一人一人のフォームを分析し、最適な走りに導くアドバイスとトレーニングサポートをさせていただいております。
ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
マタドールのご紹介

当ジムのトレーナー陣は、数々のランニング実績を誇るエキスパート揃い。
フルマラソンで3時間を切るスピードランナーから、ウルトラマラソンに挑戦する距離ランナーまで、多彩な経験を持っています。
また、マラソン大会やテレビ番組で芸能人やアスリートの伴走を務めた実績もあり、ランナーの悩みや苦労に深く共感し、お客様から信頼を得ています。
お客様のメンタルサポートも充実しており、専門知識と豊富な経験を活かして、心身ともにサポートします。
プロの視点から提供されるアドバイスと励ましで、あなたのランニングライフをより充実したものにします。
マタドール・スタイル・ランナーズ

名古屋名城公園を練習拠点に活動するランニングクラブです。
毎週水曜日(18時45分~20時30分)、日曜日(9時30分~11時30分)に練習会を開催しております。
生涯に渡ってマラソンを続けたい、怪我や痛みを克服し自己ベストを更新したい、ランニングを通して新たなチャレンジをしたい、これらを実現するためのランニングクラブです。
サブ3.5~フルマラソン完走、健康的に走ることを楽しみたい、20代~80代まで幅広く在籍し、ランニングを心から楽しむことがポイント
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マタドール・パーソナルトレーニング

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